すっかり丁寧な暮らしを損なってしまった
と、心をざわつかせていたのだけど、
よくよく考えてみるともともとが
ずいぶん面倒くさがりやで
だらしない性格だった。
はなから損なうほどのものは
持ち合わせていなかったのかもしれない。
土曜日の昨日、
いくらひどく気怠いからといって
休日だというのになんにもしないのは
いかがなものかと、
娘との約束をひとつ果たすことにした。
意を決して、
卵と砂糖とココナッツオイルをまぜ、
小麦粉とベーキングパウダーもまぜあわせ、
鉄フライパンに油をたんまり入れ、
ドーナツを揚げた。
娘につくってほしいと何度も言われ
ちょっと涼しくなったらね
とかわし続けていたドーナツ。
気がつけば、ちょっと涼しくなっていた。
揚げたてに砂糖をまぶし、頬張る。
「むちゃくちゃ美味しい!
将来ドーナツ屋さんになれるんちゃう?」
と、娘が興奮する。
穴は消え、いくつも黒焦げにする
ドーナツ屋さんって。。。
でも、なりたいものをいまだに
ずっとさがしつづけている私の胸には、
娘からもらう
「将来」が、じわっと染み入る。
日曜日、やっぱり少しは丁寧でありたいと、
昨日をとりもどすように
ちまちまとあちこち掃除する。
作り置きも何品か。
何をつくったところで
できたてのつまみ食いが止まらないなら、
ドーナツよりこっちの方が
胃に優しくて、私にはしっくり。
蒟蒻も買っていたのに、
あく抜きが面倒くさくなって
入れなかった。。。