asaの足あと

何気ない暮らしと、その中で、日々こぼれ落ちるささやかな幸せと小さな痛みをそっと静かに残すように、このブログをしたためています。

八つ当たりという名の悪意をぶつける

扇風機をこわされ、

苛立ち、責め立てた。

 

気のない返事に腹がたち、

3倍返しで無視をした。

 

気づけば隣りで膝をたて、

ひどい姿勢で食事をしてるもんだから、

思わず大声で叱りつけた。

 

毎日毎日、私は娘に苛立ち、怒り、

時にしつけを通り越した

「八つ当たり」という名の

悪意をぶつける。

 

いい母にはなれなくて、

人格者でもいられない。

 

娘はへらへらききながしたり、

ときどきクックと吹き出したり、

でも多くの場合はやっぱり

泣き叫んだり、

にらみ返したり、

閉じこもったりしたあと、

私の顔色をうかがいに

そっと忍び足でやってくる。

私はにやっと笑い、

娘はにかっと笑う。

 

いい母でも

まともな大人でもない私を

娘はいったいいつまで

笑って許してくれるのだろう。

好きだと言ってくれるのだろう。

 

時折そんなことを考え、ぞっとする。

 

2週間ほど前、


f:id:asanoomusubi:20200830154816j:image

 

リビングの一部を飾りたて、

「ここはお地蔵さんだからね」

と娘がよく分からないことを言ってきた。

 

願いごとを書いた紙でビー玉を包んで

このペットボトルに入れなさい、

と。

 

さらに、毎日このペットボトルにむかって

お祈りをしなさい、

と言う。


f:id:asanoomusubi:20200826072949j:image

 

私は、リビングががやがやして嫌やわぁ

と不満をもらしながらも、

娘に見はられながら、

ペットボトルに向かい

両手を合わせ、目をつぶってみせた。

「ちゃんとお祈りするのよ」

と、なおのこと娘が言うので、

声にはださず、そっと心の中で

 

いつかこの子に呆れかえられるまえに、

自分の気分にふりまわされない

ましてや八つ当たりなどぜったいしない

ちゃんとした大人になれますように

 

と、わけのわからないお祈りをした。

 

……………………

 

昨日は久々の出社日だった。

いまだに慣れない通勤電車と社内。

ぐったり帰宅すると

笑顔で玄関までとんできた娘が

私の顔色をみてすぐに

笑顔のまま部屋に引き上げた。

 

ごきげんななめそうだからそっとしておこう

と言わんばかりに。

 

私は服をぜんぶ着替えて

はげしく手を洗い

けたたましくうがいをして

せかせかとキッチンに立った。

 

カウンター越しに見る家の中は

朝よりどこかしら散らかり、荒れている。

 

むこうの部屋でリモートでの仕事を終え

足をなげだしてスマホをいじる夫がみえ、

フライパンをにぎる手に力がはいる。

 

私は苛立ちながら

わちゃわちゃと鶏肉をカレー味に炒めた。

 

風呂あがり

ようやく落ち着きを取り戻したころ、

「リビングのペットボトルのお地蔵さん

 のけといたよ」

と娘が言いにきた。

確かにそこだけが

やけにすっきりと片付いていた。