asaの足あと

何気ない暮らしと、その中で、日々こぼれ落ちるささやかな幸せと小さな痛みをそっと静かに残すように、このブログをしたためています。

ボリュームを下げて怒る

昨夜のこと。

「ちょっと大事な話があるからきいて」

と娘が笑顔で言うのだった。

 

洗濯物を部屋干しする手をとめて

真剣にこちらを見よ、と指示してくる。

えー、なによ、

と、私は洗濯物を干つづけながら耳を傾けた。

 

娘は大きく息を吐き出したあと、

意を決したように、

そのくせしっかり笑顔を携えたまま、

「あのね、明日もの置き場のそうじ

 ちゃんとするから、

 やさしーく怒ってほしいねん」

と言った。

 

あぁ、なるほどね〜。

と、洗濯物を干し終え

改めて娘の方を振り向くと、

娘は嬉しそうに、またどこか誇らしげに、

早口でまくしたてた。

 

そりゃあ、きたなくしたのはわるいよ。

なにもかもつめこんだのもわるいよ。

だからちゃんと明日きれいにするよ。

だけどな、ママがこわい声で怒ると、

悲しくなって、やる気がなくなるねん。

優しく怒られた方がやる気がでるの。

ママだって怒るのイヤなんでしょ。

優しく怒ったら、怒ってる気持ちも小さくなるよ。

だから、明日は優しく怒って。

ね。

ボリュームを下げて。

ね、ボリューム下げて優しく怒って。

わかった?

 

 

昼間に、あらゆる教科の教科書や

とっくに終わったプリントや

渡しそびれていたらしい手紙など

なにもかも詰め込まれた 

(それゆえ、教科書の忘れ物はしない)

ランドセルの中身を

ひどく叱りつけたのだった。

たった1週間で

どうしてここまでぐちゃぐちゃにするの

と。

さらに、ランドセルだけじゃない。

あふれでたガラクタを片付けるふりしながら

すべて納戸に押し込んでるでしょ

と。

 

季節外の電化製品や飾りものや

毎日は使わないホットプレートや

最近めっきり遊ばなくなったレゴなど

いろんなものを詰め込んでいる小さな納戸。

そこに、娘はほいほいほいほい

手が負えなくなったものを放り込んでいるのだ。

 

 

ランドセルを発端に

見て見ぬふりをしてきた納戸にまで怒りが爆発し、

明日は納戸を片付けるからね!

と強制的に交わした昼間の約束を思い出し、

ふと、おののき直したのか

相談をもちかけてきた娘。

 

「わかった?ボリュームさげて優しく怒ってね」

 

怒られる気はまんまんなところが

可笑しい。

 

 


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