夫は夏季休暇最終日の昨日も
「散歩に行く」と言い残し、
炎天下へとひとりふらふら出て行った。
娘と私はいそいそと
夫のパソコンをテレビにつなぎ、
お試し中のHuluで
ドラマ「すいか」のつづきをみる。
すいかの登場人物の誰とも
私はちっとも似ていない、重ならない。
だけど、誰もがの放つ言葉のいちいちに、
しみじみと共感する。
やっぱり好きだなぁ。
すいかを見ながら、
ちくちくと給食セットを縫ってみた。
おんぼろになって
好みもかわって
もう使わないのに
捨てられずにいたエプロンを切って。
じっと見るとひどい出来栄え。
だけど、遠目にみると愛らしい。
すいかを見終え、
少しばかり心がおだやかになった私は、
炎天下から帰ってきた夫に
「見て、これ」
と、できあがった給食セットをみせてみた。
夫は私に笑って話しかけられたことに
少なからず驚いた目をし、
「ああ、娘の持ってってるやつね」
と、とんちんかんな返事をよこす。
あのエプロンやん!
どうしたん?手で縫ったの?
なんて、
夫の口から出てくるはずもなく、
なんで小さく落胆するのか。
とんちんかんなのは夫以上に
私の方かもしれない。
夫は今日から仕事だけど、
まとめて休みを取り過ぎた私は明日から。
今日はキッチンにいっぱい立つ日。