「そっかそっか。遊具で遊んだんやぁ。誰と遊んだの?」
と、最後に要らぬ質問をつけたしてしまう。
「ひとりで」
娘は、手遊びしながら、ケロッと答える。
「そっかぁ。あれ、〇〇ちゃんは?」
と、保育園で仲が良く学童でも同じクラスになって
大喜びしていた友達の名前を出す。
また余計なことを…と、
自分に舌打ちしながら。
「〇〇ちゃんとは遊んでない。
ひとりで遊ぶの好き」
娘はやっぱり別のことをしながら
こちらを見ずにケロッとこたえる。
「〇〇くんは?学童でクラスが違うけど、
遊具でばったり会ったりしないの?」
と、また保育園でずいぶん仲の良かった子の名前をだしてみる。
娘は首をかしげて、
「〇〇くんは●●(自分の名前)のこともう忘れてるわ」
と、ニカッと笑う。
そして、
「〇〇くん、〇〇ちゃんのことはおぼえてるけどな」
と、さっき私がきいた友達の名前をだす。
「ぜったい忘れてないよ。声かけてみなよ」
と言うと、渋るように首をかたむける。
「ひとりで遊ぶの楽しいねん」
娘はまたケロッと言う。
ひとりで遊ぶのが楽しい……
とってもいいじゃない。
笑ってるんだからいいじゃない。
そう心から思うのに、
なんだって私は、
誰と?お友達は?
みたいな質問ばかり加えてしまうのだろう。
私も小1の頃は、
ひとりを黙々と堪能していたような気がする。
厄介な感情にとらわれはじめたのはもう少し先の話。
ハッ……、と思う。
なんだか私、こちらから
いちいちあの厄介な感情を
娘の中に呼び起こそうとしていないか?
娘が笑っている。
それでいい。それがいい。
「そっかそっか。学童は楽しい?」
笑ってきくと、娘は、
「楽しくないけどな。学童ダイキライ」
と笑ってこたえる。
。。。