ほんのり明るくなりはじめた朝5時のリビング。(数日前の…)
レースのカーテンも椅子も、いまだ破れたまま。
夏季休暇を迎えるまえにはスッキリさせなきゃ……
せかせかそわそわしていたけれど、
結局なんにもできないまま、もうすぐその休暇に突入します。
初日の朝に出発し、夫の実家で過ごす3泊4日。
年末年始も夏季休暇も、家で過ごせるのは、いつも1日か2日。
なんだかなぁ……と、ついつい思ってしまったり、
やたらはしゃいでいる娘に、時に、しらーっとなってしまうことも。
「楽しみすぎる」とはしゃぐ娘に
「よかったね」と言うと、
「ママは楽しみじゃないの?」と。。。
私の格安スマホの電波が覚束ない夫の実家。
まわりにあるのは、大きな土地にゆったりと建つ家々、田圃……のどかな風景。
広い家の中には、雑然とものが積み上げられ、軽やかにとびこえるように、親戚の子どもたちが歓声をあげながら走りまわる。
もちろんその中には、溢れんばかりの笑顔の娘。
雑多な食材や大量の食べ物がパンパンにつまった冷蔵庫は、子どもにとって宝庫のようで、あさるようにジュースを取り出し、お茶のように一気に飲み干す。
いつもと違う、だけど、まぶしいくらいの平和がそこにある。
幻想のような、現実。
そこでは時間が、ゆっくりゆっくりと流れる。
・・・・・
「そうやね。ママも楽しみだよ」
ずいぶん遅れて返事をしたときには、
娘はもう別のことに夢中になっていました。